2011年8月6日にロンドン市街地で起きた黒人男性の射殺事件をきっかけに大規模な暴動が発生。
被害はマンチェスターやバーミンガムなど広い地域に拡散、日本でも連日報道されていたのが記憶に新しいところです。
M.I.A.がツイッターで「暴動の現場に行ってお茶とチョコ・バーを配りたい」と暴動を支持するかの様な発言して物議をかもしたりしてましたが、彼女には今回最も激しい暴動が起きたクロイドン地区に親戚がいるそうで「クロイドンの私のいとこの店が略奪された。食料も全部明け渡している」、「5歳の子供が私のいとこのゴールド・ショップで略奪している」など生々しいコメントも投稿していました。
その暴動の中、8月8日エンフィールドにあるUK最大のインデペンデント音楽流通業者Piasの倉庫と ソニーのUK唯一の配送倉庫が大規模な火災で全焼し在庫の約90%が焼失してしまうという音楽ファンにはとてもショッキングな事件が起こってしまいました。
Piasは実に150を超えるレーベルと契約していて、有名どころでは「WARP」、「NINJA TUNE」、「XL/Beggars」、「Rough Trade」、「Sub Pop」、「Thrill Jockey」、などがそうとうな被害を受けています。
暴動から2ヶ月たった10月に 「FINDERS KEEPERS」 主催のAndy Votelはツイッター上で
「 Now is the time that the UK independent labels effected by the riotsFire are really hurting financially & psychologically... PleaseBuyMusic 」
(「暴動による火災に影響を受けたイギリスの独立系レーベルの経済的、心理的なダメージが本格化するのは正に今だ。どうかレコードやCDを買ってほしい」)
と発言しています。
また「Rough Trade」のCEO、Spencer Hickmanは火災直後から「必ず倒産するレーベルが出る」と発言していたそうでやはり現地では自体はかなり深刻な様子。
▲Deadstock Records一曲入魂
Vol.1~10まで発売される予定なのですが、この選曲者がいちいち素晴らしくてVol.3ではSUPER FURRY ANIMALSのGruff Rhys、Vol.6ではBELLE & SEBASTIANなどなど。既発の曲とはいえけっこう豪華なメンツ。
しかもどうやら各アルバムにはそれぞれ未収録曲、 エディットやマッ シュアップも収録されているみたいです。
今回のご紹介するこの『MAKE DO AND MEND Vol.5』はエレクトロニカの中でもHIP-HOPよりのアプローチで人気の高いPrefuse73と、アルバム『The Only She Chapters』でも共演したZola Jesusが選曲を担当しています。
Prefuse73 |
Prefuse 73 + Zola Jesus Mix Pt 1.The Misanthrope Meditation by Warp Records
Prefuse73と「FINDERS KEEPERS」って組み合わせは意外な気もしますが考えてみればPrefuse73は「WARP」のアーティストですしThe Gaslamp KillerとUSツアー回ってたりもしてるのでつながりがあるんですね。
トラック・リストは
『MAKE DO AND MEND Vol.5: Zola Jesus & Prefuse73』
1.Zdenek Liska - Salute Of Salt One
2.Jiri Sust / Jiri Slitr - Bath Of Milk
3.Lubos Fiser - The Sermon
4.Bruno Spoerri - Soft Art Theme
5.Jean-Claude Vannier - Danse De L'Enfant Et Du Roi Des Mouches
6.Jane Weaver - Europium Alluminate (With Demdike Stare)
7.The Science Fiction Corporation - Flirtation On Venus
8.All Traps Set - Short Of Water
9.Voice Of The Seven Woods - Karanlik Nehir
10.Zdenek Liska - The Song Of The Siren (Theme)
11.The Predicate Production Guild - As She Entered
Bonus track
12.Yamasuki - Fudji Yama (Prefuse73 Remix)
電子音楽やアンビエント、ストリングスを使った現代音楽といった感じの選曲でしっかり二人の世界観を作り上げていますし、
シリーズではVol.7でAlan Bishop率いる「SUBLIME FREQUENCIES」、Vol.9ではEgon率いる「NOW AGAIN RECORDS」 というFINDERS KEEPERSにとっては盟友とも呼べそうなレーベルが選曲を担当していてファンには嬉しい限りです。
さらにVol.10では相当な辺境音楽ディガーとして有名なAndy Votel自身も選曲をつとめるそうです。
また今回の暴動のでは情報拡散にBlackBerry と呼ばれるスマートフォンが多く使用されていることから中心は最貧困層ではないようですが…はたして本当にこの暴動が貧困問題と全く関係がないのか?
小松原織香さんのこちらのBLOGがとてもわかりやすかったので是非ご一読を。
▼「ロンドンの暴動とインナーシティ問題」 キリンが逆立ちしたピアス
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